元ボロ鯖。今試練でFFXIを楽しんでまったり進んでいくおばちゃんの日記


by feiry
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面接

この日はひどい風雨だった。ラルは窓から外を見上げてひとつため息をつく。




ここは、冒険者支援施設の一角。先日面接希望者がいると通達を受け、今日がその日であった。
自分も楽しみではあるのだが、その反面過去にあったいやな出来事も思い出されて、憂鬱にもなる。

「ラルったら最近ため息ばっかりね~」

タルタル族で銀髪の少年がそんなラルの様子を見てくすりと笑った。

「どんな人たちかなー。面接にきてくれるのって。楽しみだねー! いい人たちだといいなぁ。ねえねえ、気にいらなかったら断るの?」

歯に衣を着せぬ言葉で少年が聞くとラルは「そうなるかなー」と頷いた。

「そっかー、嫌な思いしてまで一緒にいたくないもんねェ」
「はは、チャミの勘も頼りにしてるから着いてきてもらったんだよ」
「勘?」

ラルの言葉に首をかしげるチャミである。

「なんだ勘って・・・」
「んー・・・。動物的な?」
「ひどいっ!」
「はっはっはっはっ」

愉快そうにラルは笑って、そしてチャミの頭をポンポンと叩いたのであった。
と、コンコンと扉をノックする音が部屋に響いた。

「はい」

ラルが返事をすると、先ほど受け付けてくれた男性がドアを開けて、彼の後ろにいる人たちを中に入るように促した。

「彼らが希望なさっていらしたお三人です。あとはお任せいたします。お互いが納得できるまでお話をして決めてください。では、失礼します。
あ、こちらがお三人の履歴書です。お渡しするのをすっかり忘れて申し訳ございません」


ラルに書類を手渡すと、男性は深々と頭を下げ謝罪し、部屋を出て行った。

「あ、えーっと、よく希望してくださいました。私はLSで代表をしております、『ラルフィス』と申します。よろしくお願いします」


ラルが頭を下げると、三人の代表らしい茶髪を短く刈りそろえた青年が一歩前に出て頭を下げ、サンドリア式の敬礼をしてみせた。

「良しくお願いします。私は、クリエル。そして、エルヴァーンの男性はリュウ。タルタルの少女はフェイ。」


名前を呼ばれた順に頭を下げ同様に敬礼をして見せる。

『彼らは騎士でもあったのか?』と、その様を見てラルは渡された書類に目をやり。あわてて、椅子を進めるのであった。


「すみません。ご存じのとおり、たった今書類を渡されたものですから、すこし読ませていただきます。チャミ、ちょっとの間頼むね」
「はーい」

ラルは軽く会釈をし、三人に椅子を進めてから自分も席に着き履歴書に目を通しはじめた。

「はじめまして! チャミです。ラルのお供で来ました。えーと、みなさんのジョブはなんですか?」

にこにこと人当たりのいい笑顔でチャミが尋ねると、クリエルが答えた。

「よろしくお願いします。えーと。私は一応モンクと風水。リュウは白魔と黒魔。フェイは・・・」
「ふぇいちゃん?」

言いよどむクリエルに、小首をかしげつつちゃみはフェイをみた。

「あ、いや。その・・」

言いずらそうにしているクリエルにラルは履歴書を読んでいた目を止め、顔を開けてフェイを見た。

「履歴書に書いてありますが、記憶喪失なのですか? 」

ラルの言葉に、チャミは驚いてフェイを見た。
そんな反応に慣れているらしく、フェイはにこにこしなから頷いた。

「まあ、ジョブは黒魔導師か召喚士といったところかな。な、フェイ」

クリエルがそういうと、フェイは頷いて見せた。

「詳しくは、仲間にさせていただいてからお話ししますが、記憶がないというのはある一定の期間の記憶がないということで、
なにもかにもがないというわけではないのです。ですので仕事には支障はないと思います」
「頑張りますっ!」

クリエルの言葉に続けてフェイはガッツポーズでこたえてみせた。

「ただ、ちょっとだけ記憶の混乱が起こることがあるのと。そのせいで動きがまでもが混乱するらしく、残念ながらジョブ関しては正確なところは言えないのです。
最近、私たちと行動を共にして安定してきたのがその二つ」
「ほう。ではほかのジョブも?」

ラルが尋ねると、クリエルは頷き「おぼろげにですが・・」と答えた。

チャミがリュウに向かって自分も白魔道士であるので、白魔道士ができると聞いたリュウにどちらが得意なのかと尋ねると
「私は、どちらも同じくらいですよ」と、人当たりのいい笑顔で答えが返ってきたが、野生の感でチャミはなにかを感じたらしく、すこし怯えて
ちょっとだけラルに椅子を寄せて座り直した。

「そうですか、それは大変ですね・・・」

ラルが言うと、フェイは首を横に振って「ちっとも大変じゃないよ」と笑い、それを受けてリュウが大変なのは私達さと肩をすくめてみせた。

「私たちは、弱小ではありますが、積極的に戦いに出向いています。付いてこれる自信はありますか?」

ラルが尋ねると、三人は頷く。

「もちろんです。ですから志願しました。」

クリエルが即答する。

「ふむ・・」

ラルはテーブルの上に両肘をついて手のひらを組み、眼を閉じて考える。
仲間と上手くやっていけそうか、彼らの加入で戦術は広がるのか・・。
三人の様子を見ていると、人当たりはよさそうだが・・

「みなさんは ずーっとお友達なの?」

考えて黙りこんだラルに代わって、チャミが尋ねると

「そうだよ! クリちゃんとリュウちゃんとはずっとお友達なの」

ねっ。とフェイが二人を見ると、二人はフェイの頭をポンポンと叩きながら微笑んで頷いた。

「ふたりともとっても強いのに、私のせいでどこにも入れなくて・・」

フェイの顔が曇る。

「ちがうぞ。俺たちはフェイと一緒に戦いたいんだよ。一緒に笑っていたいんだよ。だからどこにも入れないんじゃなく、
一緒に雇ってくれるところを探していただけだよ」

今まで静かだったリュウが、フェイの顔をむにむにとこねながらそう言って笑った。

「うにゃにゃ」
「まったく、へんなこと考えてないで、しっかり精霊唱える練習しなよ」

そういって、フェイの両頬を軽くたたいておしまいと言った。

「リュウさんっていい人?」

野生の感のままにちゃみが言うと、リュウはにっこり微笑んで「いい人だよ」と、答える。
それを見てクリエルがチャミを憐れんだように見つめたのだった。
チャミがその笑顔にたいしてなにかを言おうとしたとき、

「きめた!」

ラルが顔をあげてチャミに頷いた。
今のやり取りを見て、仲間を大切にできる人たちだと直感で理解したラルは決断した。

「採用! といっても、ちょっとお試し期間をお互いのために儲けましょう。俺たちのやり方に賛同していただけそうだとおもったら、
正式に採用と言うことでどうかな。」

ラルの言葉に三人の顔に安堵の表情がみえた。

「ありがたい。よろしくおねがいします」

クリエルが頭を下げると、二人も後に続いて頭を下げる。

「よろしくおねがいします!」

三人に頷いて答え、最後にチャミへ確認を取る。

「チャミもそれでいいかな?」
「もちろんだよっ!! 大賛成っ」

首をブンブンと上下に振りながらチャミはラルに答えた。
それを笑顔で受け止めてから、ラルはクリエルに握手を求めクリエルがそれに答える。
その様子をチャミは最高の笑顔で見届けて、拍手で三人を歓迎した。


「えーと戦闘の報酬の分け前とか詳しくは、私たちの家で話します。荷物はどちらに?」

ラルが聞くとクリエルは視線だけで答えた。その先にあったものは少し大きめの皮袋が三つにキャンプ用品のみ。

「え・・あれだけ?」
「まあ、いろいろあってね・・あれだけですよ」

苦笑いしながらクリエルが言うと、ラルは笑顔で答える。

「なら、俺たちと一緒に荷物が増えていくといいですね」
「そうありたいですね」

クリエルも笑顔で答えると、リュウとフェイも笑顔でうなずいた。

「フェイちゃん、よろしくね! 一緒にがんばろうね!!」

チャミがフェイの手をとってぶんぶんと強引な握手をして、フェイを笑わせた。
ラルは何となくだが、長い付き合いになると確信に近い予感がした。


気が付けば雨は上がり。暖かい日差しが部屋の中に差し込んでいた。新しい仲間との出発を祝うかのようだとラルは窓越しに空を見上げて
やさしく微笑んだのであった。


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Commented by らる隊長 at 2016-04-01 16:12 x
いい!いいですよ~、ふぇいさん!
おれまじめだな~・・・。誠実だけど、面白くはない人だなwおれw
ふぇいさんが衝撃の記憶喪失フラグつき!今後の展開が気になりますな~・・・
冒険譚が楽しみです!また暇があったら続きをおねがいします!
Commented by Feiry at 2016-04-01 16:42
全員がオモシロかったら、ただのコントになってしまうのでw
そこは弄られ役の宿命ってやつですよ(ぇ?

べつなお話となんとかして繋げたいので、向こうを終わらせる努力をしなくては・・・と、思う日々です(ノ∀`)
このままじゃなんのこっちゃですよねぇ(汗)

読んでくれてありがとですっ!
Commented by ベック at 2016-04-01 22:03 x
今回は登場なかった(´・ω・`)
でも面白そうな展開だねぇ
Commented by 野生のちゃみ at 2016-04-02 11:58 x
面白かったぁ(*^^*)
この先の展開が気になります。本筋は作者にお任せするとしてサブストーリーのタイトルをいくつか考えましたよ〜
最初の事件 「LS大全滅の謎」(隊長に襲いかかる悲劇)
突如LSを襲う「LS金策大作戦」(隊長に襲いかかる苦悩)
後はキャラごとにスポットを当てるストーリーとか〜
「べっく先生の意外な悩み」 「えびちゅの大いなる野望」
「ちゃみの小さな冒険」 「らる隊長の密かな楽しみ」
「クリエルの隠された趣味」「リュウの地味で華やかな生活」
「はなちゃんとマサト氏の噛み合ない会話」
「フェイの危ない大実験」な〜んてね(^^)
実装されるかされないか! 楽しみです。
ゲームなんてしてないで、どんどん書いて下さいまし!!
Commented by Feiry at 2016-04-02 12:50
みんな読んでくれてありがとうございますっ。

べっ君。これからですよっ!

ちゃみちゃん。
色々考えてくれてありがとうw

チャミの(迷子だ)大冒険はすぐにでも書けそうです(笑)

あと、フェイの危ない大実験って・・。君は私と某博士とを混同していないか?
by Feiry | 2016-04-01 13:26 | おはなし | Trackback | Comments(5)